瑞浪市化石博物館
研究報告

瑞浪市化石博物館専報第4

愛知県設楽層群の貝類および植物化石

柴田 博・伊奈治行

出版年月日: 1983/3/31   ページ数: 184, pls. 124

 愛知県の東端の設楽盆地に一括して設楽層群とよばれている中新世の堆積岩と火山岩類が分布している.同層群にはかなり豊富に海生貝類と陸上植物化石が含まれている.これらの化石は,同層群の地質時代,堆積当時の古環境,古地理を考察する上で重要な意味を持っている.

 筆者らは,断続的に設楽層群の貝類および植物化石の採集を行ってきた.今回,それらに加えて名古屋大学嘉藤良次郎博士,馬場強氏および北設楽郡東栄町立博物館所蔵の設楽層群産の標本を検討した.この論文でそれらを簡単に記載し,図示すると共に,それらにもとづいて設楽層群の対比,堆積環境などについて考察する.