瑞浪市化石博物館
研究報告

瑞浪市化石博物館専報第3

瑞浪層群の化石

2. 貝類(軟体動物)

糸魚川淳二・柴田 博・西本博行・奥村好次

出版年月日: 1981/3/31   ページ数: 153, pls. 152

 瑞浪層群(中新統)は多くの化石を産するが,中でも,特に多いのは貝類(軟体動物)である.古くは古墳時代から人々の興味をひき,数多くの研究が行われて来た.すでに,貝類化石についてのまとめが何度か行われているが,瑞浪市化石博物館発足以来,ここでの収集により標本は量・種数とも大幅に増加し,その全容を知るには再検討の必要が生じて来た.

 一方,博物館の性格からして,普及・教育用の資料の作成も必要である.かつて「瑞浪層群の化石写真集」を出版したが,これはあくまでも便宜的なものであり,機会を見て改定の必要に迫られていた.

 以上の2点を考慮して,瑞浪層群の貝類化石を再び整理,総合することにした.膨大な資料であり,中には未記載種も含まれ,検討は完全なものとは言えない.今後さらに改訂・追加してより完全なものにすることが望まれるが,その一つのステップとして公表することとした.

 本号は,貝類化石の概要,群衆の概要,貝類化石相の変遷,他地域の貝類の比較などについてのべた総論と化石表・写真図版からなっている.