瑞浪市化石博物館研究報告第48号
埼玉県「所沢」観測井におけるストロンチウム同位体層序
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出版年月日: 2021/8/20 ページ数: 33–42
【論文概要】 埼玉県が昭和53年度に掘削した地盤沈下を観測するためのボーリングコアを調査し、上総層群と考えられる地層から採集された貝化石の殻を材料としてストロンチウム同位体比を測定しました。測定の結果、ほとんどの試料は変質を受けていることがあきらかになりましたが、一部の試料は変質をあまり受けていないことが判断され、年代を求めた結果170万年前、190万年前という結果が得られました。これらは、上総層群の堆積年代とも矛盾がないことから、目視や化学分析で変質を受けていないと判断される試料のストロンチウム同位体比をより多く分析すれば信頼性の高い年代値が得られ、地層対比の基礎資料になると期待されます。