瑞浪市化石博物館
研究報告

瑞浪市化石博物館研究報告第4

瀬戸内質区の中新統第一瀬内累層群産の浮遊性腹

柴田 博

出版年月日: 1977/12/25   ページ数: 3144, pl. 13

瀬戸内地質区の9地域の中新統,岩村, 瑞浪,師崎, 一志,鮎河,山粕,山辺および備北層群と千種累層から浮遊性腹足類の化石が発見されている.それらは,10種の翼足類,Limacina sp., Euclio balantium (Rang), Euclio sp. A, Euclio sp. B, Vaginella depressa Daudin, Bowdenatheca sp., Cavolinia raritatis (Nomura and Zimbo), Cavolinia sp. A, Cavolinia sp. B, Cavolinia? sp. C 1種の異足類,Atlanta sp. よりなる.これらは,暖海域に生息した表層浮遊性の種であると考えられる.それぞれの種は,第一瀬戸内累層群においては限られた層準のみより産出しており,したがって,同累層群の対比に役立つと考えられる.