瑞浪市化石博物館
研究報告

瑞浪市化石博物館研究報告第4

Gomphotherium annectens (Matsumoto) の新標本について

亀井節夫・岡崎美彦・野々垣 勲・愛知学院大学古生物学研究会

出版年月日: 1977/12/25   ページ数: 18, pls. 12

Gomphotherium annectens (Matsumoto) は,日本の中新世の哺乳動物相を代表する平牧動物群の重要な一員である.この種は,今までに可児盆地だけから知られていたが,新たに瑞浪盆地の土岐夾炭累層から一つの下顎が得られた.これは前に知られたものよりも下位の唇準から産している.この他に可児地域からの一つの脛骨化石の存在が確認されたが,これら2つとも,G. annectens が模式楔本から推定されていたよりもはるかに大きな体のものであることを示している.したがって模式標本はこの種の個体としては,比較的小型のものを代表していることになる.本論文では,これら.新しく知られた2つの楔本について簡単な記載を行った.